さんねんごのうわき

遠距離恋愛中の南涼の南雲の独り言

短い

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乗った電車が海沿いにかかって視界が広くなる錯覚。
ひっでぇ天気で海はくすんで耳に突っ込んだイヤフォンが遠距離恋愛の曲を流す。
遠い距離が逆に愛を育むなんてそんな馬鹿な。
自分のテリトリーにいない相手と何をどう育めってんだ何があるかわかったもんじゃねぇ

知らねぇ雄犬雌豚が臭いつけてくかもしれねぇし頭の悪いもん腹に突っ込んでるかもしれない。
阿呆みたいに脳寝かせてるかもしれねぇしいらねぇ音を拾ってるかもしれない。

あいつにそんな心配するのも無駄かもしれないけれど。
それでも渡した指輪には呪いに近い念を込めて俺のものだと主張する。

電車がトンネルに入りガラスはくすんだ海から歪んだ自分の顔へとチェンジした。
明日涼野が帰ってくる。