学パロ南雲と涼野
無関係の私と君でもの続き
涼野さんが別人。
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何でこいつ目の前にいるんだろうと思ったら涼野が喋りだした。
「何、少し質問があってね」
それに多少嫌な顔をしながらその質問を待てばそいつはいつもと同じ笑顔で言った。
「どうして私のことを周りに言わないんだい?」
それは俺も疑問に思い、先程結論が出たばかりのことだった。
俺は素直に「もうお前に関わりたくないからだ」と言う。すると涼野が少し目を見開き「そんな理由?」とだけ言った。口元は弧を描いていた。
そもそも言った所で誰も信じないだろって、言えばよかったなとは教室に戻る間に思いついた。
俺からも少し質問はあったのだが、関わりたくないと言った側から関わりにいくのも嫌なので引き返すのはやめにする。
そもそもあいつはどうしてそう俺につっかかるんだ
涼野の被る猫に気がついた奴は他にもいるだろうし、俺のように本人に聞いた奴もいるだろう。
学校の全員が涼野をただの完璧人間だと思うはずがない。誰かが疑うだろう。
例えば隣のクラスの基山あたりは気づいてる
涼野を見るあいつの目は常に好奇心に満ちてキラキラしているから
涼野は、誰にでもあっさりと本性を見せるのだろうか
まあ俺には関係のないことだと考えを振り切りながら席につく。
それでも考えることはやめられず、顰めっ面で落ちている消しゴムを足の先でつついてみる
午後の授業は耳にはいらなかった。
チャイムが鳴り、授業中にずっと足でつついていた消しゴムを蹴りあげてキャッチする。
それを放り投げていたら横から伸びた手がそれを奪った。
「掃除の時間だよ、南雲くん」
「・・・おう」
何なんだこいつ関わりたくないって言ったばかりだろ。椅子から立ってその笑顔から目を逸らす。
そりゃあまぁ、関わるなとも、涼野自身が関わらないと宣言したわけでもないが。
放課後になり鞄を掴む。
今日は気分が悪い早めに帰ろう。そう思ってとっとと教室を出る。
廊下に人気は無くまだHRをしているか教室にたむろしているか、生徒の姿は無かった。
そんな中話し声がすれば、当然よく響く
「ねぇ、」
通りがかりの空き教室に、隣の教室でよく見る赤毛がいた。
自分の教室でよく見る銀髪も、
これってやばいんじゃないかな。そう足を止める
「本性見せてよ、涼野くん」
基山の言葉に、持っていた消しゴムを落とすほど動揺したのは俺の方だった。