だって、笑っちゃう

バーンとガゼル

宇宙人してる彼等が大好きです。

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大きくなったら何になる？
サッカー選手！


昔のことを思い出した。

「何が、サッカーせんしゅ、だ、」

将来の夢が宇宙人であったなら、きっと叶っていただろうにな。
残念だよ昔の自分。その夢は早々に諦めた方がいい。
あまりに儚く散ってしまう。

なんて、悲劇か

先程ゴールポストに弾かれたボールが自分の下へ転がってきた。
もう一度蹴る気にもなれず、今日はここまでかと思った。

「昔の夢など、見る影もないよ。」

サッカーをやっているだけだ
そりゃ下らない。

 

「俺の夢もさ、サッカー選手だったぜ」

聞いてもいないのに答えてくれるとは、彼はなんて優しいのだろう。馬鹿か。

私と同じく練習でもしていたのだろうバーンと廊下で鉢合わせ、流れでそのまま一緒に歩き出して、途端これだ。
馬鹿か。

「も、って何だ。私は自分の夢について話した覚えはないぞ」
「どうせ同じだろ」

図星だが

「図星だ。」
「うるさい」
「どうせ叶わねぇよ」
「ああどうせ叶わないよ。何が言いたいんだお前」
「行き詰まってんだ」

成程
一体何に行き詰まっているというのか。
人生だなんて壮大なこと言い出すんじゃないだろうな

「人生とかそういう」

言い出すのか

「何だよその顔」
「あまりに予想通りでついな。」
「なんだって？」
「君がつまらない人間だってことさ」

何で急に喧嘩売られてんだ俺。とバーンが不服そうな顔をする
しかし人間としてつまらなくとも宇宙人としてならどうだろう。ふと思いはしたが成程くだらない
私たちは人間であって宇宙人ではないのだからそんなことわかりはしないのだ。
宇宙人という設定のもと行動してはいるが、実際に宇宙人というわけではつまりそう私も行き詰まったようだ

「君のおかげだどうしてくれる」
「お前は本当に意味がわからないな」
「神妙な顔で失礼なことを言うな」

肝心な事に触れないまま自室の前まで来てしまった。
そういえば夢がどうこう言っていたような気がするが、そうだ

「バーン」
「また何か妙ちくりんなこと言うんじゃねぇだろうな」
「お前本当に失礼だな。聞きたい事があるんだ」
「何だよ」

「今の夢は、何だ」

バーンの動きがぴたりと止まった。
唖然とするその表情がおもしろかったがとりあえず言わないでおく。

「夢かよ」
「夢だ。」
「ふん？今更夢なんて、」

言いかけて、奴はどうにも気味の悪い笑みを浮かべた。

「そうだな、宇宙人、だろうな。」

そう言ったバーンの薄ら笑いにこいつ本当に嫌な奴だなと思った

「サッカー選手とはかけ離れているな。」

私も似たような表情をしていたので私も嫌な奴なのかと思った
自滅じゃないか。

「グランに聞いたらどう言うだろうな」
「さぁな」
「けどあいつが同じこと言ったら腹立つ」
「奇遇だな私もだ」

過去の夢を使って現在、
私たちは地球を侵略にやってきた宇宙人。

成程なんてことはない、単なる害虫なのではないか。
人間ですらないのか。
しかし間違いではなさそうだなと思う。

自分達の表情に背筋がゾッとした。
きっとバーンも同じだろう

　もしも僕らが宇宙人だったら！！

だからと言って私はこの薄ら笑いをやめる気などなかった