明けましておめでとう。今年もよろしくしてあげる。

元旦に書いたバンガゼ文

 

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息が白い
空が暗い

成程まだ初の太陽は昇っていない

「あけましておめでとう」
「あー、あけおめ」
「こういった挨拶はきちんとしなければと」
「ヒロトが言ってたんだろ？」
「・・・何故わかった」

何をするでもなく歩く。
少し外に出ようと思っていたのだが、何故かオマケもついてきた

「つーかお前、何でついてきたの。」
「何ででもいいだろう。私も少し歩きたかったんだ」
「そうかよ」

「バーン」

「・・・・・何だよガゼル」

今はもう、互いを晴矢、風介と呼んでいたのではなかったか。
相手の意図がわからず、晴矢は首を傾げる

「今年もよろしく・・・・してやらんこともない」
「何だそれ」
「私がよろしくしてやるんだ。有難く思え」
「何様だお前」
「涼野様だ」

小学生かよ、と風介の頭を小突く。
だが来ると思った反撃は無く、風介がこちらを見つめてきた。

「バーンは」
「あ？」
「・・・晴矢は、よろしくしてくれないのか？」

微笑を浮かべながら問われ、晴矢は暫し黙る。
何だそれ
可愛いじゃねえかよ

「・・・してやらんこともない」
「お前こそ何様だ」

こうして二人で笑い合いながら、また一年。
君を年を越せることを夢見ながら

「しょうがないから俺が」
「私が」


来年もよろしくしてあげる。


（嬉しいだろう？）
（ああ、涙が出るくらい嬉しいな。）
（そう。私も心臓が止まりそうなくらい嬉しいよ。）

すげえな。それ。
だって本当なんだもの。